鉄骨溶接前の検査
浜松信用金庫様、鉄骨溶接前の検査へ。
(仮組み検査といいます。)
鉄骨造は溶接が大変重要で、今回はその溶接の『事前』の検査となります。
溶接の品質は、溶接技術者の技量はもちろんですが、溶接前の段取りが大変重要なのです。
確認する事項は多岐にわたりますが、次のようなことを確認します。
部材の厚さや精度、寸法が設計図どおりであるか確認します。
穴あけの位置や精度、部材相互の位置関係なども同時に確認します。
次に、溶接する部材の端部の形状(開先角度といいます)の確認。部材同士の隙間(ルート間隔といいます)の確認。部材相互の隙間を専用のゲージでミリ単位でチェック。角度も専用のゲージで確認します。(ここが不適切であると溶接量が大きすぎて、溶接の熱でひずみがでたり、溶接が少なすぎて接合不良が起こったりします。)
工場自体のスペックも大切です。架構前の部材管理状況やそのスペース、最適な姿勢で溶接が出来るよう、クレーンなどの設備等の状況もざっくりとチェック。
他には、溶接する部材の裏側に付ける、裏当て金と呼ばれる部材などもチェック。裏方の小さな部材ですが、大変重要な部材です。
その他幾つかの確認を行い、問題が無いか確認し、溶接工程へと移ります。
溶接工程では、溶接そのものの技術の確認、溶接の温度(パス間温度)の管理(鉄は熱を加えると脆くなるのでそれを防ぐのです)、溶接箇所の試験方法の打ち合わせ(今回は工場の自主検査プラス、第三者試験機関による検査を行います)。
他にも一箇所あたりの溶接の重ね数(パス数)についても打ち合わせを行いました。
以上のような事前確認、事前検査を経て、溶接工程に移り、溶接が完了後溶接部の検査と出来上がった製品の検査を行います。
もちろん全ての工程を一日で行える訳もなく、何回も鉄骨工場に足を運ぶことになるわけです。
現在は工場の品質管理がしっかりとしていますので、問題は少なくなってきたようですが、それでも何かあってからでは遅いので、業者さんと共に何度もチェックを行い、問題が起きないようにします。
来週にはまた溶接検査を行い、再来週頃には製品検査、再再来週あたりで建て方となります。
大変ですけど、楽しみです。
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